めまい

論文

2.めまいの基礎
Observations on Conduction of Caloric Stimulation to the Middle Ear Cavity by Thermoscanning.
Laryngoscope 112(3) 504-508 March 2002Nishizawa, Shinji MD   ・・・めまい検査法の生理学的な現象を証明 
https://www. Laryngoscope 次いでキーワード nishizawa を入れますと、アップされてきますLaryngoscope.

Abstract: Objective: To elucidate the ways in which caloric stimulation conducts and the temperature recovers on the temporal bone by the caloric stimulation test. Methods: Four cases examined temperature changes of the bony lateral semicircular canal eminence with thermal images by caloric stimulation tests. Changes in the heat distribution were observed by means of a Thermoscan (Nihondenki Sanei Thermotracer 6T67R, Tokyo, Japan). Results: The temperature began to decrease from the external canal and the decrease reached the posterior cranial fossa plate through the middle ear cavity while the stimulation continued. After the end of stimulation, the stimulation advanced in the direction opposite to the order in which it was transmitted and recovered in a manner resembling a mirror image despite the difference in speed.Conclusions: The way in which the caloric stimulation was conducted and the way in which the temperature recovered were in the opposite direction. (C) The American Laryngological, Rhinological & Otological Society, Inc.

1.温度刺激検査に必要なインターバル Equilibrium Rec 60: 86-92、2001.  西澤伸志  ・・・・(めまい検査方法の基礎) 
         
はじめに 温度刺激検査はめまいの診断に重要な検査であるが、多大な時間を要するので、忙しい外来では検査時間の短縮が期待される。その解決方法の一つとして両耳の検査の待ち時間;インターバルの短縮を図ることが挙げられよう。ところが、短縮を可能とする生理学的な根拠は明らかになっていない。例えば眼振の終了時間が適切なのか、温度刺激部位の体温の回復が良いのか、あるいは他の指標が存在するのか不明である。そこで正常者を対象とした温度刺激のよる赤外線CCDカメラ付きフレンツエル眼鏡(以下、赤外線CCD眼鏡)の眼振終了時間と遮眼ENGの眼振終了時間の比較をおこない、同時に鼓膜温の回復時間を調べることにょりインターバルの問題を解決することにした。あわせて鼓膜穿孔耳を対象として遮眼ENGと中耳腔の温度変化を調べた。・・・以下省略。 

学会発表と抄録

8.めまいについて 労働福祉事業団ホームページ http://www.rofuku.go.jp/q_a/oha_41.html このホームページは無くなりました。

 「めまい」はとても内容の広い言葉で、代表的な症状は、(1)天井が回ったり、自分が回っている感じ、(2)ボートに乗ったような揺れる感じ、(3)長湯をして湯船から出る時に経験する目の前が暗くなる感じ、(4)階段を降りたり椅子から立ち上がる時にふらふらする感じがあります。これらの感じが、そのまま障害部位の診断と治療に密接な関わりがあるので、ていねいな問診をします。 患者さんの困ることは大きな病気の症状の一つではないか、吐き気、再発するのか、どのくらいの日数続くのかの四点です。診断の確定のため(1)の脳の下部にある小脳・延髄の異常か内耳の異常によるので、それらを区別するためMRI検査を施行し、メニエールなど聴こえの異常を伴うかを確かめる聴力検査を行ない、引き続き平衡機能(バランス機能)と異常眼球運動の有無を調べます。(2)と(3)は血圧、心電図、血糖値などを調べます。(4)は歩行の状態を中心に調べますが、それぞれが重なる場合があるのですべて調べます。検査の要する時間は約1時間です。患者さんの数は年間150人ほどですが、約九割は「夜中あるいは夜明けに目が醒めた時に天井が回っている」という良性発作性頭位めまい症とよばれるものです。一日タイプ、三日タイプ、二週間タイプが多く、「乗り物酔い」される方は吐き気を伴うことが多く、経過がやや長いようです。治療として薬のほかに、めまいの運動療法(めまいのリハビリ)をすることもあります。なお脳血管障害が原因となって生じるめまいは改善が困難なことが少なくありません。発症の平均年齢は50代後半ですが、60代が最も多く、10代でも認めます。

7.温度眼振停止感覚時の眼振緩徐相速度と乗物酔いの関係 ・・・(めまいの臨床)
 日本耳鼻咽喉科学会北海道地方部会第181回 2000.3.26 札幌市
 西澤伸志(美唄労災)
     めまいのリハビリ療法の開発目的で赤外線CCDカメラによる眼振停止感覚とENGを同時記録し、めまい患者の乗物酔いのアンケートと比較した。対象は1997年12月から2000年1月まで当科にて温度刺激検査をした240人(平均55.6歳)。船酔いの有無に有意差を認めた。差を認めないがこれらに次ぐものはJRの進行方向の逆に座り酔う、遊園地のコーヒーカップ嫌い、バスの後部乗車で酔うの順。男女差にも差を認めた。

6.温度刺激による乳突洞の温度変化の二次元的観察           ・・・(めまいの基礎)
 日本耳鼻咽喉科学会北海道地方部会第175回 1997.3.30 札幌市
 西澤伸志(美唄労災)
     カロリックテストの温度刺激は、内耳へどのように伝導し、刺激はどこから消失するか明らかにするため、サーモグラフィで観察した。真珠腫性中耳炎3例の穿孔部を生体糊と綿花で閉鎖し、乳突洞解放後に骨部後壁残した状態にて温度刺激。20℃と冷水で刺激。温度回復は後上方より始まり、年輪状に温度上昇し、上鼓室に至った。刺激終了後も温度低下するが、刺激温度に関わりなく、温度上昇形態は一致。 

5Correlation between Slow Phase Velocity of Nystagmus and Tympanic Membrane Temperature during Caloric Test               ・・・(めまいの臨床)
 Barany Society 19th Meeting,  Sydney,  Australia 12-14th August 1996 
 S Nishizawa, K KagaDepartment of Otolaryngology, Bibai Rosai Hospital, Hokkaido, JapanDepartment of Otolaryngology, Faculty of Medicine, University of Tokyo, Japan
          A total 353 subjects with normal tympanic membranes (mean age 55.5 years) were divided into three groups: under 40, 40 to 60, and over 60 years old. All underwent a caloric test with 20ml of water (20℃) for 20sec. Nystagmus disappeared 180sec after irrigation, and the mean tympanic membrane temperature (TMT) was 1.2283℃ lower than that of controls. At higher ages the maximum slow phase velocity (SPV) was lower, time of maximum response was shorter and duration of SPV was longer than at younger ages. The subjects with perforated ears underwent three course caloric tests. In the operation, a thermistor was inserted into the mesotympanic space (MS), and the perforation was closed with a thin sheet of cotton overlaid with fibrin sealant. Caloric tests were performed using 20ml of water (20℃ and 0℃) for 20sec. The peak changes of the MS temperatures in the 20℃ test varied from 0.35℃ to 1.97℃, occurred within 22sec to 66sec, and lasted 2sec to 7sec, while in the 0℃ test, they varied from 0.93℃ to 4.83℃, occurred within 22sec to 66sec, and lasted 1sec to 8sec. The peak changes of MS temperature and maximum SPV after surgery occurred at the same time. 

4.温度刺激検査時の中耳腔温の観察                    ・・・(めまいの基礎研究)
 97回日本耳鼻咽喉科学会総会学術講演会 1996.5.23-25 福岡市
 西澤伸志(美唄労災)
     (目的)眼振と温度刺激の関係を解明する目的の一つとして温度刺激の中耳腔への伝達状態を調べた。・・・中略・・・。(結論)中耳腔の最低温度到達時間より最大緩徐相速度の出現時間は20℃では1.5から1.1倍の時間の遅れ、0℃では1.3から1.2倍の時間の遅れであった。中耳腔の温度変化より内耳迷路の反応の出現時間は10から50%遅かった。

3.発症7週目のMLF 症候群              ・・・(めまいの症例)
 CCD赤外線Frenzel眼鏡による記録を中心としてー
 57回耳鼻咽喉科臨床学会総会 1995.7.6-7 東京
 西澤伸志(美唄労災耳鼻科)、杉本信志、安田 宏(同・脳外科)、佐藤健一(同・眼科)
        MLF 症候群は、さまざまな眼球運動を呈する比較的まれな疾患である。今回発症○週目の症例の眼球運動を赤外線CCD付きFrenzel眼鏡にて記録し、検討したので供覧する。症例は○歳、男性。主訴はめまい、嘔気、右手のしびれ。4日前より糖尿病の服用をしていなかった。初診10日前にポワーとするめまいがあった。○年10月○日午前中、右手がしびれ、力が入らなくなり、当院脳外科受診。・・・中略・・・高圧酸素療法による左耳閉感の治療目的で当科紹介。・・・中略・・・Frenzel眼鏡による観察では右方視から正中に戻る際、右眼が左眼に比べ速度が遅かった。左眼は十分左方視ができるが、眼振は不明瞭であった。赤外線CCD付きFrenzel眼鏡による観察を暗視野にて施行すると、左右の眼球とも左方への眼球運動は良好であった。左方から正中に戻る速さは右眼球では0.49秒、左眼では0.35秒であり、ENGの記録の原波形の時間の長さに一致していた。正中から左方へは、右眼はわずかに内転し、上転した。左眼では水平な外転をするが、0.3秒ごとの記録では4回眼振が確認できた。ENG上では右眼が内転することが確認できるが、左眼に比べ運動開始が0.4秒遅れ、さらに終了は1秒遅れていることが確認できた。 これらの所見を供覧する。

2.温度眼振検査時の鼓膜"体温"の変化-鼓膜体温計を用いて-
 94回日本耳鼻咽喉科学会総会 1993.5.27-29 京都市
 西澤伸志(美唄労災)
      (目的)温度眼振検査の際、鼓膜の皮膚面の"体温"を「鼓膜体温計」を用いて経時的に測定し、鼓膜の体温がどの様に変化し、どのくらいの時間でもとに戻るのか、について調べることを目的とした。・・・以後省略。

1.温度眼振検査後の鼓膜"体温"の変化-鼓膜体温計を用いて-
 
日本耳鼻咽喉科学会北海道地方部会第166回 1992.10.18 札幌市
 西澤伸志(美唄労災病院耳鼻科)
     目的:温度眼振検査を施行した際、鼓膜面の"体温"が、検査前の"体温"にもどる時間を「鼓膜体温 計」を用いて測定し、鼓膜面の"体温"がもとに戻る時間および眼振の持続時間との関係を調べることを目的とした。・・・以後省略。


(文字化けが生じた場合:摂氏centigradeが入ります)

日本めまい平衡医学会のホームページ http://memai.gr.jp/

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